てしまのまどのアートプロジェクト2013『観光』暮らしの光を観る |
観光 暮らしの光を観る 人は土地に住まうとき、何らかの造形活動をおこなうのだと思います。 それは大げさな事ではなくとも、例えば、始めは荷物を降ろして、配置するだけのことかもしれない。 それが、ずっと同じ場所に居つづけると、やがては自分の外側の、つまり周囲の環境を整え、他者との関係性を築き始め、困難な事がおきれば力を合わせてそれに対応し、喜びを共に分かち合い、様々なことを共有し始める。 そういった事の、幾度もの繰り返しの過程で遺されてきた造形に他者が触れるとき、異郷に辿り着いた者は出会う事もなかった人の暮らしを知り、意志をうけとり、そのとき造形活動は此方と彼方を媒介する事物になる。此方と彼方は一方通行ではなく、互いに共鳴し、ゆるやかな道筋が走り始める。人の移動に伴って、造形活動も移動し、また何処かで此方と彼方の媒介が起こる。 やがて造形活動が人と土地と時間を介して文脈を孕み始めたとき、我々の日々の低層を奏でる。 私たちの日々の暮らしのなかにひっそり在る物語や神話。われわれはそれらの事物をどれだけ読み取り、感じて暮らしているのだろう。 |
てしまのまどでは「観光」について独自の視点による着眼点によってプロジェクトを展開します。 近年、豊島はアートの島として観光を目的とする様々な人が訪れ、親しまれるようになりました。 観光の語源は「国の光を観る。用て王に賓たるに利し」の一文にあると言われています。 「国の光を観る」という一文を自分の足元を見つめ直すという意味に捉えた場合、私たちは島の生活からそのような光を見出していくことができるでしょう。 てしまのまどでは、島の自然や人の暮らしを、様々な手法によって訪ねることで再認識し、現代社会をいきる私たちの生活の現場から観光について、各専門家らを迎え、作品の展示、トークショー、ワークショップなどから考える試みをおこないます。 「アート」− 文化、芸術という大きなうねりを、豊島の暮らしを通して、多様な表現と対話を手がかりにし、人が土地に住まうときに自ずとおこなう造形的な行為から見つめてみたいと思います。 |
イベントスケジュール
10月11日(金) 豊島上映会 昔の写真の上映会豊島の昔の写真を集めてスライドショーにまとめた映像の上映です。 『地域を変えるソフトパワー』刊行記念全国縦断トークツアー 「暮らすことと地域」 加藤種男 × オクムラユッコ ×坂口祐 × 森美樹 |
ゲストプロフィール 加藤種男|Taneo KATO 元アサヒグループ芸術文化財団顧問、企業メセナ協議会専務理事 オクムラユッコ|Yucco OKUMURA 1972年、小豆島生まれ 。 森美樹|Miki MORI ガラス作家/うのずくり実行委員長広島県出身。 坂口 祐 You SAKAGUCHI 香川県高松市/物語を届けるしごと/せとうち暮らし神奈川県出身 |
10月17日(木)
暮らしの光を観るトークショー 「住まうことと仕事」 岡昇平 ×蛇谷りえ × 宮城未来 参加無料/要申し込み |
蛇谷りえ|Rie JYATANI 1984年大阪生まれ。 宮城未来|Miki MIYAGI 1976年生まれ、香川県高松市出身、現在沖縄県那覇市在住。 |
10月20日(日) 暮らしの光を観るトークショー 豊島CAMP 「記憶と物語」藤井光 × 吉澤弥生× 杉田敦 参加無料/要申し込み |
藤井光|Hikaru Fujii 1976年東京都生まれ。同地在住。パリ第8大学美学・芸術第三博士課程DEA卒。1995年渡仏。
吉澤弥生|Yayoi Yoshizawa
大阪大学招聘研究員/法政大学ほか兼任講師/NPO法人recip代表理事・NPO法人アートNPOリンク理事。 CAMP|camp |
10月26日(土) 暮らしの光を観る ワークショップ「土地と方法」 参加費2000円(昼食代込み)/要申し込み(定員15人) しまあるき 「豊島堂々めぐり」 ファシリテーター:乗松真也 × 安岐理加 午後 ワークショップ びおんオーケストラプロジェクト ファシリテーター:吉濱翔 |
※豊島堂々めぐり 堂々めぐりは美術家安岐理加が実践する歩く見る聞くの活動です。内容はみんなできになるみちを歩き島の暮らしや歴史を感じたり、見つけたり、ひらめいたり、教え合ったり。歩いた後はみんなで地図を作ります。 これまでに東京、水戸、青森、大阪、沖縄など、さまざまなところで開催してきました。今回は とても古い時代の生業に詳しい乗松さんをお迎えして歩きます。 |
※ワークショップ びおんオーケストラプロジェクト びおんオーケストラは美術家の吉濱さんによる日常にある様々な物を使って集団演奏を行うプロジェクトです。 これまでに沖縄、東京、青森などでライブイベントへの出演やワークショップなど様々な形態でプロジェクトを行ってきました。 普段あまり聴かれていないであろう小さな音や遠い音たちを意識するためのコンセプトを持っています。 http://syo-yoshihama.tumblr.com/post/47291215133 |
11月 1日(金) 暮らしの光を観るトークショー「盆踊り~音楽と所作が紡ぐもの」大谷将 × 安岐理加 |
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11月 4日(月・祝) 暮らしの光を観るトークショートークショー 「地域と経済」渡邊太×乗松真也×白川昌生 無料/要申し込み |
ゲストプロフィール 渡邊太|Futoshi WATANABE 大阪国際大学講師。(当時)専門は文化研究・宗教社会学。 末期資本主義に抗して人が集まる場所をつくる運動に関心を持つ。主な著書に『愛とユーモアの社会運動論』(北大路書房、2012年)、『聖地再訪・生駒の神々』(共著、創元社、2012年)、『よくわかる宗教社会学』(共著、ミネルヴァ書房、2007年)等。
白川昌生|Akio SHIRAKAWA
1948年北九州生まれ。美術作家。
乗松真也|Shinya NORIMATSU
香川県埋蔵文化財センター1974年愛媛県生まれ |
作品展示 吉田和司 | Kazushi YOSHIDA 美術家 主な展覧会「吉田事物屋 Remarks on the selected junk code.」(路地と人)、「イメージの世界」(gallery feel art zero)、「Wandering series」(森岡書店)など。グループ「ミルク倉庫」としての活動も行っている。「使えなさそうで使えそうな事物」に関する道具性について、オブジェクトとパフォーマンスの面から制作。本企画ではかつて使われていた道具を解体—再構築する。 |
吉濱翔 | syo yoshihama 美術家 主な個展に2012年 海の声 / CASA ASIA (バルセロナ)2012年 微音と遠音はみえていない(沖縄)、主なグループ展に2013年 農園と環境 /Torus (沖縄)2012年 VOCA2012-新しい平面の作家たち- / 上野の森美術館(東京)、主な演奏に2013年 TOKYO EXPERIMENTAL FESTIVAL VOL7 /トーキョーワンダーサイト本郷(東京)2013年 高江音楽祭 / 山甌(沖縄) ワークショップ「びおんオーケストラ」とワークショップのプロセスから作品を制作 ※「びおんオーケストラ」 びおんオーケストラは日常にある様々な物を使って集団演奏を行うプロジェクトです。 これまでに沖縄、東京、青森などでライブイベントへの出演やワークショップなど様々な形態でプロジェクトを行ってきました。普段あまり聴かれていないであろう小さな音や遠い音たちを意識するためのコンセプトを持つ。 http://syo-yoshihama.tumblr.com/post/47291215133 |
主催:てしまのまど 共催:AAFネットワーク実行委員会 助成:公益財団法人 福武財団/ 公益財団法人 中條文化振興財団/ アサヒグループ芸術文化財団 特別協賛:アサヒビール株式会社 |