展覧会 group exhibition by Teshimanomado
その島のこと an Island
藤井光 吉濱翔 工藤冬里 シライセイジ 宮脇慎太郎 浦中ひとみ 安岐理加
2016年9月17日(土)—11月30日(水)火曜日は休室
開室時間 10:00—17:00
観覧料 300円 (カフェにて300円以上の利用の方は無料)
写真 宮脇慎太郎
— 昔、殿様が海に桶を流させたんや、備前と讃岐の境を作らなあかんゆうてな。
讃岐のもんのほうが備前のもんより潮を見るのが巧かったからなぁ、よおけ海をもろうたゆう話しや。
(桶流し伝説)
豊島で暮らしていると、大正〜昭和初期から生きている人々の口から、
まるで昨日の事のような話しのなかに、ひょっこりと昔の景色が現れることがある。
現在、豊島は隣島小豆郡土庄町の一部落だが、昭和30年までは単独の村だった。
島の人々は、暮らし方によって、それぞれ、交流し易い対岸の人々との対話を持っていた。
その後、日本の社会は高度経済成長期をむかえると、陸上の交通がめまぐるしく発達し、
それは当たり前に島の経済や生業に影響を及ぼした。
人々は今までの緩やかで豊かな関係性からなる生業のままで暮らすことが困難となってしまった。
写真 藤井光
島の路地を歩いていると、この島の営みから生まれ、生活に寄り添ってきた造形物が遺され放置されている。
暮らしとともにあった道具や祠、路までもが、メディアとなってかつての生活を報せる。
遺された造形は、暮らす事が当たり前に創造的だということを標す。
その一方で、少子高齢化、人口減少などの影響は著しく、日々の景色はものすごい速さで変化する。
人が居なくなるということは、語り繋がれる機会も減る。語る機会を無くしてゆく事は、自分たちの物語を
失ってゆく事でもある。
そのことに、今を生きている私たちはどう立ち向かうべきなのだろうか。
てしまのまどは、オルタナティブスペースという立場で、造形について暮らしから考えてゆく態度として、
オーラルヒストリーの記録、収集、保存及び共有する試みと、
並行してアーティストを招聘し滞在制作の場を開く活動をおこなっている。
これまでに、藤井光、吉濱翔、中西レモン、工藤冬里が滞在し、
それぞれが表現活動の延長線上にこの島をみて歩き制作活動をおこなった。
展覧会「その島のこと」は、これまで招聘してきた藤井、吉濱、工藤に加え、企画者であるの安岐理加、
豊島とその近隣に住まう浦中ひとみ、宮脇慎太郎、シライセイジの7人が、それぞれに島という環境下で
生成されてきた暮らしについて捉え、表現を通して様々な人々との共有を試みる。
それぞれの物語に耳を澄ましてほしい。
主催 てしまのまど
助成 公益財団法人 福武財団 公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団 特別協賛:アサヒビール株式会社
土庄町豊島家浦2458−2
家浦浜の横尾豊島館から南へ50mくらい、赤い旗が目印です。
お問い合わせ teshimanomado@gmail.com